







品質管理の仕事は、製品の安全・安心を守るとともに、会社の信頼を守る仕事だと思っています。入社前のイメージでは、事故が起きた際のクレーム対応や原因調査などがメインの業務だと思っていました。ところが、実際の業務内容はもっと幅広かった。製品が完成した後の工程に限らず、そもそも事故が起こらないよう対策をとったり、日頃の衛生管理がきちんとできているかを確認したり。どちらかと言うと、製品が完成するまでの段階をサポートする業務が中心でした。私たちが毎日欠かさず行っているのは、製品の出荷を判定する検査です。細菌検査や、人間の五感を用いた官能検査などを行い、製品の品質をチェックしています。その日製造されたものは一律すべて検査するため、その数はおよそ40種類にも及びます。他にも、製品の本生産に向けて、配送テストや保存検査を実施。また、定期的に、現場の衛生状況を確認する抜き打ち検査を行っています。






今までの仕事で特に印象に残っているのは、過去に生産した商品を復活させるプロジェクトです。その商品には、ケーキをコーティングする「グラサージュ」というチョコレートのソースを使用していたのですが、「グラサージュ」の最適な状態を再現するための詳細な記録が不透明なものでした。当時の関係者も異動してしまい、何度も試作を繰り返し再現することに。この経験から、今後同様の事態が発生しないよう、まずは製品化までの試験データを残していく仕組みを確立させました。次に、試作の結果を確認する打合せには関連する全部署が立ち会い、その記録を関係各所に配信し共有するよう改善。その結果、いつ誰が製造に携わっても、スムーズに試作を行い製品化できるようになりました。製品を常に同じ品質、同じ規格で製造できるよう管理することも、品質管理の重要な仕事です。この仕組み作りは以前勤務していた工場で行ったものですが、現在の工場でも定着させ、より良い仕組みに発展させていきたいと考えています。






私たちは立場上、ときに、製造現場に対して厳しい指摘もしなくてはなりません。銀座コージーコーナーでは、ISO22000という食品安全を目的とする国際的なシステム規格に則り、さまざまなルールを設定しています。その中で品質管理の役割は、ただルールを守るのではなく、なぜそのルールを守る必要があるのか、その意義を現場に伝えること。食の安全を守るためには、工場で働くひとりひとりの高い意識が必要だからです。直接現場で指導することもありますし、会議では積極的に情報を発信しています。こうした安全を徹底する取り組みは、食を扱う会社にとって、何よりも大切なことだと思うんです。さまざまな検査をクリアした商品を、お客様が楽しそうに購入される。そんな姿を見るとやりがいを感じますし、心から嬉しくなりますね。これからもお客様に安全でおいしい洋菓子をお届けするために、徹底的な検査と、さらなる改善に取り組んでいきたいと思っています。






